カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

テント場が一泊4000円?値上げの根拠って何なの・・?

白馬館グループの出した今期のテント泊の料金が話題になっています。

 

五竜テント場・大池テント場・鑓温泉テント場 1張2,000円と1人2,000円

https://www.hakuba-sanso.co.jp/news/index.html

 

五竜山荘テント場

つまり、ソロだと一泊4000円。二人でテント一張りなら6000円。

まあ高いけど仕方ない出すか・・・という絶妙な値段ですね。

三流ビジネスホテルくらいの料金。

 

SNSでの反応も概ね「たけーよ」という反応。

対して、業界で働く人からは「登山道整備とか色々お金かかるししゃーないやろ嫌なら来んなや」という意見が多い。

他にも「これでも下界のキャンプ場より安いやん」とか、「人が多すぎやからええやろ」みたいな意見も。

うーん。

 

私は凄く違和感を感じますけどね、今回のテント場の値上げは。

 

全国の有料の山小屋の運営形態は、

  • 土地も建物も公有で運営も公営(請負管理人がいたり)
  • 土地も建物も公有で運営は委託
  • 私企業が公有地に上モノを建てて使用料を払っている
  • 土地も建物も運営も私企業

というパターンがあると思います。

 

白馬館を始め、北アルプスの山小屋の多くは、国有地に私企業が建物を建て、国有地使用料を払って運営しています。

使用料は地価から算定した定額と売上から算定する低率(1〜3%)とがあるそうです。

 

実はその昔、某M俣山荘が突然定額から低率へ変更を言い渡され、訴訟になった事もありました。

世論は概ね山小屋寄りだったそうです。

林野庁解体―疲弊する一山村から

ただ、国有地を安く借りて大儲けしている、となれば話は別だと思います。

いや、もちろん、山小屋の運営で儲けるのは良いと思いますよ。

設備の考案、投資、改善・・・などなど。

宿泊客が払うお金は、そのサービスへの対価ですから当然です。

 

しかしながら、テント場は違いますよね。

殆どサービスなんてありませんし、誰がやってもテント場のクオリティなんてほとんど変わりません。

 

それなのに国から借りている地代と比べて明らかにボッタクリ価格で登山客に提供していたらどうでしょう。

しかも実質独占的な商売で。

 

国有地は我々国民の資産です。

その資産を安く独占的に借りておいて、管理的な手数料+αというにも明らかに高額過ぎる値段設定であったら、それはおかしいと思います。

 

値段設定的に、山小屋の素泊まりを11000円に値上げしたからテント場2000円+一人1000円のままだと山小屋の割高感が増す、というのは分かりますけどね。

 

というか白馬山荘グループのテント場、去年までの3000円でも、他と比べるともともと結構高いな。

涸沢とか三俣山荘でも一人2000円のみですし。

そして私がよくテント泊していたころはどこも1000円だったんですが・・・。

 

流石に1000円じゃあトイレと水場使わせてもらうのが申し訳ないくらいですが、せいぜい水使用料・トイレ使用料に管理費を上乗せして2000円じゃないですか?

儲けるのは山小屋のほうでお願いしますわ。

テント場の快適化についてなんか値上げする様な努力をあなた方はしていますか、という。

 

下界のキャンプ場はもっと高いやん、と言いますが、下界と違うのは、その土地は我々国民の物で、しかもかなり割安に独占的に使用させてもらってる、という事でしょうね。

 

もちろん、山小屋の方には感謝する事も多いですし、ありがたいと思う事も多い。

しかしそれは人間として、の話。

 

例えば湘南の海岸を何故か独占的に割安で国から借りて、高額の使用料取ってる企業が有ったらどう思うのか、という。

そこに建ってる海の家の飯が高額なのは全然良いんですけどね。

海岸でおにぎり食うのにまで高額な料金払わされるのは「え??」ってなるでしょ、その成り立ちまで考えちゃうと。

 

前に書きましたけど、私は山小屋の高価格化は大賛成なんです。

 

ultratrail.hatenablog.com

 

もちろん、高付加価値化、というのが大前提ですが。

 

登山道の整備費用が今までよりお金かかるし、それを負担を公平に負担してもらいたいからもっと値上げ、というなら、それはやっぱり入山料的な徴収方法にして(駐車料金とかバス代とかで)、日帰りの登山者も同様に負担してもらうのが筋ですし。

というかそれならもう登山道整備は入札公募、そしてそれとは別に山小屋も上物代は国が一度買い取って、山小屋運営者は20年に一度入札公募、とかでいいじゃないですか。

中国企業とか絶対に入ってくると思うわ。

 

私はどう考えても登山道整備は専門の会社に横断的にやらせるべきだと思います。

場所によって登山道のクオリティの差があり過ぎる。

放置すれば腐っていく木道を多用している登山道とか、掘れてる谷筋を登山道として使ったり、維持するにしても「わかってねーな・・・」という場所に道を付けちゃう人とかいるので、やっぱりプロがいるべきだと思うんですよ。

 

そういう会社が有れば今話題のスパイダーとかも持てたり・・・スパイダーって知ってます?ウインチでセルフビレイ取りながら斜面を刈れる草刈り機なんですが、超オススメです。一家に一台

youtu.be

皆さんも是非購入してみて下さい。

 

とにかく、謎な論理でテント場の料金を値上げするなら、また国が定額から定率に使用料を変更しよう、なんてしたときに、「あれだけボッタくってるならしゃーねーな」って登山者をはじめとした世論がなってもおかしくないと思いますけどね。

 

もちろん、テント場の中心にキレイで匂わない清潔な洗面所付きの水洗トイレとか設置されたら別ですよ?シャワーブースとかも有って。

テント場の場所もちゃんと風から守られるような場所だったりして。

区画も整備されていて煩わしくなく、ちゃんと平らでペグもしっかり刺さる・・・。

それなら1万円払ってもいいです。いや、8000円くらいかな。8500円くらいなら払うと思う。

 

でもさ、正直、今のテント場ってなんのサービスも無いですよね???

日本全国でわりと内緒で存在する、トイレの有る避難小屋のそばのめっちゃ平らで明らかにテント場っぽい場所、となんのクオリティの差も無い。

もちろんそこはテント場ではないんですけどね。

市町村は「テントを張らないで下さい(ニヤリ)」って言っているんですけどね。

だけど「テント場を少し広く整備しました」とか広報についうっかり書いちゃったりする、あの謎の平らな場所です。

そことなんの変りもないから。それで4000円は・・・。

 

登山道整備やトイレのお金の問題なら、やはりそれは入山者全員から徴収システムにしましょう。

 

ultratrail.hatenablog.com

というか最近ホント、みんな登山行った先にお金を落とさずに帰る人が多すぎるんですよ。

まったくお金を使わずに山に登りたいならどうぞ高尾山でも登ってて下さい。

 

善意で登山道、登山道までの林道の整備をしてくれている地元の有志がやる気なくなったら日本の登山道の50%くらいは無くなりますよ、ホント。

その気持ちにこたえるつもりで、飯くらいその場所で食って帰りましょうよ。

お土産くらい買いましょう。

まあお土産に関してはロクなもの作らない地元側にも問題が・・・ですが。

 

うわ、今日の記事めっちゃ偉そうな事書いてる。なんというか、何様だろう。

まあオレ様なんですけどね。説教じみてきているところとか、まるで世間に相手にされずにwebの世界に逃げ込んだ老害ムーブですね。

 

色々と書きましたが、本当に言いたいことは一つ。

「お願い、他の奴はいいから私だけ安く泊まらせて」って事だけです。