やっと観ることができました。
私は超リアルタイム世代。
毎週月曜日は週刊少年ジャンプが2,3冊、クラスで回し読みされていた時代に青春を過ごした世代です。
この時代。ラインナップ、凄すぎますね。
スラムダンクは連載最初の第1話から読んでました。
なんだろう、新しい作品が連載開始する時って、面白いか面白くないか判断出来なくても、編集部の「これは面白いから絶対に見てくれよ」みたいな熱って読者に伝わるんですよ。
スラムダンクもそういう熱を感じる掲載のされ方だったと思います。
それを言ったら一番はワンピースでしたけどね。
まあ私はワンピースは空島が出てくるところまでしか読んでいないのですが・・。
例にもれず、私にとってもスラムダンクはほぼ聖典です。
いちいち
挙げる必要は無いと思いますが、あらゆるシーンで胸を打たれ、多くの名言に影響を受けました。
そんな私ですが、なんやかんやでやっと観ることが出来た。
そもそも映画館が遠くしかない、自分ひとりの時間が作れない、などなどたくさんのハードルがあった。
先月、突如ガマンが出来なくなって家族全員を買収して映画館に向かったのですが、なんとチケットが売り切れている、という憂き目に遭い・・・。
今回の交通費や家族の買収費用も合わせたら、スラムダンクの映画を観るのに3万円くらいかかりました。
わざわざ有給まで取り、やっと座ったど真ん中の席。
到着がギリギリだったので、座ってすぐに暗転します。
真っ暗な闇に浮かび上がる映像。
走り出す男。
ひさしぶりだ。
ひさしぶりだな。
そう、映画泥棒。
ひさしぶり。ちょいちょいアップデートされるな、コレ。
相変わらずキモい動きしてる。
なんか今見ると映画の魔人みたいたよね。
そして画面が変わり、東映オープニングが始まる。
最初のリョータとソータの1on1の場面。
あー、なるほど!なるほどなるほど!なる・・・なるほど!!
これはアレだ。凄い奴だ。
井上雄彦の絵が、そのまま動いている。
他の人間ならいざ知らず、スラムダンクとともに育ち、今もバガボンドの新刊をまっているわたしにはもうこれだけでもう90点は保証されました。
沖縄の過去シーンが終わり、オープニング。
はい、バースデイ。チバちゃん、久しぶり。
TMGEのラストライブのラスト、幕張メッセまで見に行った私にはストライクど真ん中。
ここでもうだめ。アベちゃん思い出してもうダメ。
チバの歌を聴くともうダメ。すでに泣いてます。
夜しか泣かないクロブタなのに。
その後はリアルな試合のシーンと過去のシーン、交互に進みます。
秘められたリョータの過去。
惹き込まれる。
原作の名シーンも次から次への怒涛の如く押し寄せる。
オリジナルのシーンも良かった。
川田弟が
「こんなガリに止められてどうする」「ゴール下こそがデブの生きる場所じゃねーか!」
ってところで第ゼロ感が流れるところ、最高でした。
バースデイのオープニング曲も20世紀Jロック感が有ってダサかったですが、第ゼロ感の途中から英語歌詞になるところも典型的なJロック感が有ってめちゃくちゃダサかった。
仕方ない。これは。
令和のカモシカ(私)の感性だとダサいんです。
あの頃死ぬほど好きだった、ライブにも行きまくったブランキージェットシティとかも令和の今聞くとあり得ないほどダサいんですよ。
でもいいんです。
平成のカモシカの心は聴くだけで揺さぶられますから。
今の時代とか今の音楽シーンに阿る必要なんて少しもない。
これは俺たちの時代の残りカスをもう一度絞るから、みんなで啜ろうぜ、っていうイベントなんですよ。
全世界のデザイナーが裏原宿にファッションのアイデアを得るために視察に来て、アジア中が日本の音楽や小説に溺れ、ゲームや漫画が世界を席巻、映画も日本らしいどんよりとした清々しさが頂点を極めていた時代。
バブルが崩壊した後の、確かに合った日本のサブカルチャーが世界の頂点だった頃。
そんな時代の残りかすですよ、この映画は。
観終わった後、正直なところ、予想を上回った・・・とは言い切れない。
ほぼ予想通りのデキの映画でした。
スラムダンクを作者が映像化して、悪くなるわけがない。
その期待通りでした。
というかまだ整理がつかない。
これって、この映画って、多分、同年代でも人によって見方が違いますよね、あたりまえですが。
そうそう、
「オヤジ(監督)の栄光時代はいつだよ・・・(中略)オレは今なんだよ!」
ってセリフありますよね。
連載当時、あのセリフは青臭いが故の一途さというか純粋さみたいで好きでした。
しかし当時、このセリフを思いながら「ああこうやって青春やってる時代が人生で一番たのしいんだろうな」と、少し寂しい気持ちがありました。
わたし、あれから25年くらい経ちますけど、常に今が栄光時代なんですよね。
ド底辺なんですが、去年よりも今年が楽しい、というのがずっと続いている。
「あの頃が最高に楽しかった」とか思えないんです。
だから、このスラムダンクにまとわりつくすべて物に、古臭い、とどうしても思ってしまうのかもしれません。
そしてその古臭さ。
本当に心地よい古臭さ。
汗臭い部室。おばあちゃん家の仏間。弁当の入ったカバンの中。新品の教科書。そういう匂いです。
そうそう、そういう古臭い当時のギャグシーンはいい感じに抑えられていて良かった。
あと、やっぱりマジで指導者失格すぎて訴えられるレベルだよな、安西氏。
もはや先生とは呼ぶまい。
私は河田弟が一番好きなキャラ、というのは常々公言してるんですが、この映画で兄の方も好きになっちゃいました。
敵を侮らない、馬鹿にしない、力を認めてバトルを楽しむ。
さすがナンバーワンセンター!
あとはやっぱり感情移入してしまったリョーチンの活躍をもうちょい水増ししてほしかったんですが、現実には突然覚醒するなんてありえないわけで、やっぱり原作の通り、全員がそれぞれの力を出し尽くす・・・って感じで終わって良かった。
というただの感想のブログでした。
次はあるとしたらアメリカ編かな??またリョータ主役で観たい!!待ってます。