カモシカロングトレイル

スピードハイク・ランニング・登山・キャンプ・山遊び。書き捨て御免。

趣味に登山はオススメ出来ない

私はかれこれ12年ほど登山を趣味としている。

これだけ時間が経ってなんだが、登山は本当にオススメ出来ない。

 

まず、最も大きな理由だが、登山は長時間歩かねばならない。

勿論、初心者向けのコースなら往復で2時間程度のコースもあるが、それだって山を登るわけで、1時間も上り坂を歩いていれば、普通の生活を送っているだけでは到底耐えかねるほど疲れてしまう。

それなのに、素晴らしい景色の山ってやつは大抵が長々と山道を歩かねばならない為、嵌ってしまうと日常から体を動かす癖を付けたり、鍛えたり走ったりする必要が出てくる。

週に何度も身体を動かす。ハッキリ言って時間の無駄だ。

だから登山はオススメ出来ない。

 

また、登山を続けていると、山や職場やSNSなんかを通して、次第に友人が増えていく。

友達が友達を呼び、中でも気の合う人たちでの繋がりが強くなっていく。

普段の職場や旧友との語らいの様に、話題を探したり、ぐるぐると同じ話題について話したりすることもない。

何せ、山については話しても話しても話したりないんだから、時間が無くなってしまう。

しまいには山以外の友人との連絡が途絶えがちになる。

だから登山はオススメ出来ない。

 

そして、山の事ばかり考えていると、やたらと地理に詳しくなる。今までは統計データや高速道路、電車の路線程度の情報の集まりだった日本地図が、急に立体的に見えてくる。

山から見える山、里、川、全てが魅力的に感じるようになる。

動植物に興味が出てきて、どうでもいい木の名前や草花の名前を憶えて、普通の人には興味のない、糞の見分け方みたいなものを調べたりする。

それこそ現代社会の人間が生きていくうえで全く必要のない知識ばかり溜まっていく。

だから登山はオススメ出来ない。

 

とまあそんな事ばかりしていると、常にどんな山に行くのか考えるようになり、地形図を引っ張り出してルートを考えたり、登山道具を調べたり買ったりする。

電車の窓から見える山が気になったり、テレビに映る山をすぐに調べたり、膨大な時間やお金を山につぎ込み始める。

そして最後には、病室に好きな山の写真を飾ったり、葬儀で登山が好きだった、なんて紹介されたり、無駄に多い登山道具が残ったりするのだ。

何から何まで無駄。だから登山はオススメ出来ない。

 

知り合いの女の人のお父さんが亡くなられて、服は全て処分したが、アイゼンとピッケルだけが残ったので要らないか、と言われたことがある。

聴くと、ピッケルは木製の柄だそうで、使い物にはならないだろう、と断った事がある。相当古い代物だったろう、と思う。

 

登山を趣味にして残る物なんてそんなものだ。

だから登山はオススメ出来ない。