大晦日に地上波放映されたWBO世界Sフライ級タイトルマッチで、防衛に成功した王者の井岡がタトゥーを隠さなかった事で、問題となっています。
かいつまんで言うと、ボクシングは昔から暴力団排除の為に入れ墨入れたままリングに上がる事を禁止していて、井岡選手もこれまではファンデーションやテーピングで隠していたにも関わらず、今回はほとんど隠すことなくリングに上がった、と。
この件に関して、井岡選手はほとんど語らず本当のところは未だ不明ですが、タトゥーに関するリングルールへ一石を投じたかったのではないのか、というところの様です。
「気に入らないルールがあったら破る」というような事は色々な場面であります。
トレランも、「必携品が指定されているのに入賞者が持っていない」とか、主に海外選手が「コースが決められているのにショートカットする」とかあるみたいですね。
登山でもノーリードで犬を連れてる人とかいますし。
世論はタトゥーが嫌いな人が大半なので井岡選手に批判的で、その論調は「ルールに納得いかなくても、従ったうえでルールの変更を求めていくべき」というものです。
本当にそうでしょうか?
みなさん、運転するときの60km/hの上限速度守っていますか?中央道なんて制限速度80km/hですけど、そんな車、ほとんど見た事ないですね。
一時停止なんて、ほとんどの場所で歩行者保護という理由が有って存在しているのに、守らない人の多い事!ちなみに私は15年前にバイクで一度違反した以外、100%守っています。
信号のない横断歩道に人がいるのにそのまま走り抜けてませんか?「自分が走り抜けたら後ろに車がいないから」って止まらずに走ってません?それもルール違反ですよ。
交通ルール、気に入らないルールを故意に破っているじゃん。
捕まったら文句言ってるじゃん、みんな。
だから、もっともらしく、「ルールに納得いかなくても、従ったうえで守るべき」みたいに大人ぶって上から目線で苦言を呈する、っていうのは、ちょっとどうかな、と思いますね。
特に坂上忍が。
気に入らないルールがあったら、私は時々、わざと破ります。
仕事中でもそうです。みんながなんとなく従っているルールが、意味をなしていなかったり、効率が悪かったりしたら、大っぴらに破ってみます。
すると、意外となし崩し的にそのルールが無くなります。
大きい組織というのは、そうやって時々壊してやらないと、無駄なルールが積み上げられていくんですよね。
そういう古い、意味のなくなったルールを「これ壊しましょうよ!」と議題にあげたところで、ほんの微かなリスクを負いたくないから、立場がある人ほど、ルールを無くすのに消極的になるんです。
だから、ある意味、偉い人も、みんなも、そういうルールを壊してくれる困ったちゃんを待っている事さえあるんです。
私はそういう困ったちゃんですスミマセン。
じゃあトレランレースで必携品持たなくて良いの?というと、ダメに決まってるじゃん。
というのが私の気持ち。
万が一の時に安全を確保する為の装備だし、レース結果に直結するものなんだから平等に必携品は持たなきゃダメですよね。
そういう意味で、ボクシングにおけるタトゥーのルール、暴力団排除と威嚇の抑止としての存在意義はまだ若干あるかな、と思いますけど、井岡選手みたいに敢えて大っぴらにルールを破ってみせる、ダムをノックしてみる事も大事な事だと思う。
コッソリしたら意味がないからね、ルールを破るのは。
タトゥーといえば、最近若者に大流行している、プリズンタトゥー。
私は彫り物は日本固有の文化として好きですし、明治政府に禁止されてからヤクザの威嚇の道具として使われ始めたもの、という認識でいます。
江戸時代までは肉体労働者は夏場は上裸で働く事も多く、彫り物はごく一般的にされるものでしたからね。
だからタトゥー自体には抵抗感ないし、好きです。
しかし、プリズンタトゥーは違います。
どんなものかは画像検索してもらうとして、要はチカーノ(メキシコ系アメリカ人、および不法移民)のギャングの間で流行した、刑務所内で入れるタトゥーです。
刑務所内でもギャング同士の抗争が繰り広げられる為、それぞれが自分のファミリーやボスの名前までも入れる、ほぼ威嚇の為の入れ墨です。
一般人の考えでは刑務所内で更生しよう、と考えそうなものですが、そうではなく、更生しない、刑務所を出てもファミリーを裏切らないという結束を示す物として重宝され、服を着ても見える場所にまでいれるのも特徴。
そんなものは後悔とトラブルしか生みません。
私は思うんですよね、明確に。すべてのスポーツで統一して、タトゥールールは決められるべきなんじゃないか、と。
そしてそれを社会の、例えば温泉とかにも当てはめたら良い。
個人的には二の腕、腰のみOKみたいにすれば、ファッション感覚で入れる男女の要望には応えられると思うんですが、この考えも世の中の多くの人には受け入れられない事も知っています。
まあでも好き嫌いで話をすると、ヒゲはどうなんだ、短パンはどうなんだ、果てはツイッターはけしからん、ブログを書くなんてもっとけしからん!って話になってくるので、感情じゃなく、理性で決めないと、ですね。