カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

世界から隔絶された場所

皆さん、北センチネル島ってご存知ですか?

下界との接触を拒否する島、立ち入ったものは殺される島、文明が止まった島・・。

恐らく皆さんもこういった認識を持っていると思います。

 

実際に2006年に酒に酔った漁師が2名、この島に立ち入り殺され、2018年には宣教師?と名乗る自称冒険家が殺されています。

ただ、彼ら介入者側にも責がある(というか勝手に侵入している)上に、埋葬もされているので、野蛮な文明を持っているわけではなさそうです。

 

実際にはインド政府は1990年代に接触を続け、懐柔に成功しているのです。

ただ、似たような部族を懐柔して外界との接触を推進した際、大きな問題が立て続けに発生した事が原因で、接触を絶ってしまいました。

その問題というのはジャワラ事件というもので、村から出たジャワラ族が認識のないまま窃盗・強奪を繰り返したり、レイプされたり、伝染病で多数の死者が出たりと、不幸な事件が立て続けに発生しました。

それ以来、インド政府は彼ら少数民族との接触を断ち、むしろ文化を保護する方針に転換します。

かくして彼ら、6万年前にアフリカを出た古い人類の直系ともいわれる部族は未だに閉ざされた世界で文明を拒絶しています。

 

北センチネル島 インド

 

と、まあ有名どころをご紹介しましたが、先日読んだ本に、様々な面白い場所が載っていたので、一部をご紹介したいと思います。

 

飛び地の中に飛び地が有り、その中に飛び地がある

バングラディッシュとインドの間の国境線は複雑です。

ギザギザ過ぎて訳がわかりません。

その中でも、ある地域に密集している飛び地群はもう複雑すぎて誰も把握しきれません。

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飛び地の中に飛び地があり、その中に飛び地がある・・・という訳のわからなさです。
昔、王様同士が領地を賭けて賭け事をした結果だそうですが、それが今の国境にまで続いているのです。

どちらの政府も行政サービスを放棄していて、住民は学校・病院や警察・消防などないまま、堤防や橋の無いこの低地に住むのです。

病院に通いたい人はインド人を雇い、家族であるフリをしてもらわなければ、病院で診てもらう事も出来ません。

マフィアが支配し、宗教対立も大きく、虐殺もあったそうです。

貧困・差別も根強く、発展から取り残される。

何世代にもわたり、強者の遊びに振り回された被害者ですが、未だに解決の糸口さえ掴めていない様です。

チットマハールズ バングラディッシュ&インド

 

放置されたアスベスト鉱山の町

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 昔、アスベスト(石綿)、という鉱物がありました。

耐熱性・断熱性・絶縁性に優れている為、「奇跡の断熱材」と言われ、世界中の工場・倉庫で使われてきました。

しかしながら皆様ご存知の通り、健康上のリスクが甚大で、現在は使われなくなったばかりか、撤去が義務付けられています。

ウィトヌーム(ウィトノーム)はそのアスベストの大規模な鉱山があり、鉱山町もすぐに作られましたが、当然ながら住民の殆どが健康被害に遭うという悲惨な事態に陥りました。

殆どの住人は転出済で、この町はすでに行政機関を持ちません。

しかしながら、数人?の人はまだ済んでいるという話もあります(定かではありません)。

彼の有名なセントラリア(坑内火災で未だに町の地下が燃え続けるアメリカのゴーストタウン)に勝るとも劣らない、負の鉱山文化を感じられる町だと思います。b

 

ウィトノーム オーストラリア

 

海賊の支配する町

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ホビョ(オビア)と呼ばれる町は古来から交易の町としてある程度栄えていたそうです。

ソマリアの長引く内戦の末、この町は大きな勢力がいない空白地帯となり、大きな力を持つ政治・宗教勢力ではなく、ソマリ族の大氏族「ハウイエ」が支配する土地となりました。

ホビョ自体は貧しい農村なのですが、ここには有名な彼の「ソマリア海賊」の港があり、最盛期にはいくつもの大型タンカーが繋留されていたそうです。

世界中の企業から集められた身代金は数億ドルともいわれていますが、そのお金が町に落ちているとは考えられないほど、貧しい町の様です。

恐らくはその金が武器となり、内陸に本拠を構える、ハウイエ氏族の武力を強化する為の資金源となっているのでしょう。

今では投資家を募り、新たな海賊団が作られたり、海賊行為自体に出資出来るそうです。

なぜこれほどの無法行為を許すのか?と思うのですが、ソマリア自体無法行為が横行しているというか、民間人に暴行・強姦・強盗・虐殺しないだけむしろ海賊団はマシな集団で、元公務員や教師がなるまっとうな仕事の部類だそうです。

そのお金で、共産勢力やイスラム過激派、強盗団といった、暴力集団から氏族の安全を守っているのかも知れませんね。

ホビョ ソマリア

 

元ネタはオフザマップという本で、世界中の地図から消えた場所を紹介しています。

この記事で掲載したものはごく、ごく一部ですから、ご興味を持たれたら、皆さんも読んでみてはいかがでしょうか?

一部で有名になった本なので、図書館にあるかも??です。