以下、素人の考察記事なので悪しからず。
トレイルランニングのレースで、遭難するケースが出ています。
これまで最もレース中に危惧されていた遭難は、「滑落」です。
しかしながら滑落危険個所は徹底的にマーキングされ、対策される事が多く、意外と安全です。
それに滑落危険個所かどうか、というのは山の経験に関わらず、一目でわかる場合がほとんどなので、案外初心者であっても問題なく通過できます。
しかし、道迷いは違います。
恐らくハイカーからトレランに入った方の多くは、トレランのレース中にルートファインディングに困ることなどほぼないですが、ランナーからトレランに入った方で初心者の方にとっては、これほど困る物もないのかもしれません。
当然、前にランナーがいればいいですが、時間と共に、人はバラけてきますから、前も後ろも自分ひとり・・・なんてことも多いです。
ふとした時に違う踏みあとを追ってしまったり、違う尾根に入り込んだり、枯れ沢を登山道と間違えて登ってしまったり。
登山の経験のある方なら経験済みのミスが、疲労困憊のレース中に初めて経験する、なんていうのは、想像しただけで怖いです。
しかし、じゃあレースは山の経験をもっと積んでからの方がいいのか、と言われると、私はそうは思いません。
たとえば、単独で初心者がトレランスタイルで山に入るリスクはとても高く感じます。
それよりも、初めての山はむしろレース・・の方が安全かもしれません。
ただ、実際に初心者が不勉強なままでは、いくら安全と謳われるレースに臨んでも、危険は回避できないと思うのです。
そこで私が考える、「レース中に道迷いをしたらどう行動したらいいのか」を記します。
レース中に道迷いをしたら
まず、レース中にコースを外れたとします。
その際、自分の歩いてきた道が分かるなら、引き返してください。
道が分からない場合。
その場合、GPS機器や地図&コンパス&地図読み能力を持っていて、自分の居場所が分かって、コースに復帰出来る場合は引き返して下さい。
自分の場所が分からない場合。
そこを動かず、運営に電話連絡をして、道に迷った旨と「最後にコースにいたおよその場所と、その場所から何分ほど移動し続けたのか」を知らせて下さい。
電波が届かない場合&携帯が無い場合。
近くの尾根まで上がって下さい。そこでもう一度電話してみて下さい。
それでもダメな場合。
そこを動かないでください。可能な限り保温に努め、そこで一夜を超す準備を始めて下さい。
コツは、「迷った!」と思った時に、確実に復帰出来ない時はそこから動かない事です。
レース中であればスイーパーがチェックポイントを通過する時や、最悪レース終了時に捜索が始まります。
その時にコースからさほど離れていなければ、かなり容易に発見出来るはずです。
むやみに動くと、捜索が困難になるばかりではなく、滑落の危険も有ります。
トレランシューズではボソボソの崩れる斜面を登ったり、降りたりはかなり難しいです。
それなら動かず、その日のビバーク準備でも始めた方が利口です。
3時間も有れば樹林帯であれば、ツエルトなどなくても、それなりのシェルターを作れそうです(私はブッシュクラフトの知見が無いのでなのでなんとも言えませんが)。
また、運営側の努力も必要だと思います。
山に入るのならそれなりの経験と体力と知識を持って、とは言うものの、そんなもの持っている人も最初は素人です。
そして、その素人のランナーでも安全に走れる環境を作ってこそ、経験のあるランナーを含めたすべてのランナーを安全に帰せるのでは、と思うのです。
まず、単純にマーキングを多くすれば、道迷いは減ると思います。
しかも、蛍光・蓄光カラーの目立つ奴なんかを、30mおき程度に、つまり必ず次のマーキングが視界に入る様にすれば、格段に道迷い、道間違いは減ると思います。
また、ビーコンやパッシブに電波を反射する機器(reccoの様な)があれば最高ですが、そうでなくとも、参加者の位置情報をレース期間中だけ主催者に送り続け、主催者側ではすべての位置情報・移動情報を一括管理できるアプリが有れば、スマホさえ生きていれば何とかなります。
それでもダメな時の為に、遭難時の対応一覧表をゼッケンの裏に印刷しておくなど、もう少し出来る事が有りそう。
とにかく、「案内の人、矢印看板」に頼るのではなく、ちゃんとド太い、目立つマーキングテープを絶え間なく貼る、という方法が、明日から出来る対策ではないでしょうか。