カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

遭難したとしても、高齢者はもっと山に登ってもらいたい

昨年、2018年度の山岳遭難者は、3129人で過去最高となったそうです。

以下、日本経済新聞の記事より。

url:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46032770T10C19A6CR0000/

 

山岳遭難3129人 昨年、最多を更新 半数が60歳以上

2018年に全国で2661件の山岳遭難事故が発生し、遭難者は3129人だったことが13日、警察庁のまとめで分かった。いずれも統計がある1961年以降で最多で、遭難者の半数は60歳以上だった。死者・行方不明者は過去最多だった17年より12人減ったが、高止まりが続いている。スキー客を中心にした訪日外国人の遭難も急増傾向にある。

年代別の内訳は70歳代(22.3%)が最も多く、60歳代(22.1%)、50歳代(15.5%)と続いた。中高年の登山ブームを背景に、18年も高齢の遭難者が目立った。遭難者数は10年前の1.6倍となっている。

死者・行方不明者は計342人で、70歳代(110人)や60歳代(101人)が多い。6割にあたる206人は単独登山者で、単独行動が重大な事故につながりやすい危険性を裏付けた。

遭難事故の原因は「道迷い」(37.9%)と「滑落・転倒・転落」(35.5%)が多い。都道府県別の発生件数は北アルプスや八ケ岳がある長野県が297件で最多で、都心から近い登山コースとして人気の高尾山がある東京都(147人)が3番目に多かった。

外国人の遭難者は169人で、14年(32人)の5.3倍となった。このうち111人は訪日外国人客で、スキー場のコース外で自然の斜面を滑る「バックカントリースキー」目的の登山中の遭難(61人)が多かった。

警察は登山口で、天候の変化や必要な装備について外国語で注意を促す看板の設置などの対策を進めている。

登山での遭難事故の発生は夏山シーズンの7~8月がピークになる。警察庁担当者は「不十分な装備で、体力的に無理な登山計画を立てていた事故が多い」と指摘し、自治体などと連携して余裕のある計画の策定やグループでの登山を呼びかけている。

 

この記事の中で「死者・行方不明者の6割は単独行者なので単独行は危険」と有りますが、単独行者はだいたいそのくらいいるので、多分死亡率の差は変わらない気がします。

ただ、「遭難しにくいわりに、遭難時の死亡率は高い」のは間違いがないとも思うので、それは注意したい。

 

そして本題。

遭難者全体の45%を60歳以上の高齢者が占めている、と。

そしてこのニュースのコメント欄や5chの様なフォーラム、SNSでは、多数の批判の声が。

 

高齢者が体力もないのに山に登って遭難して、国の金を使うな!ヘリ代や捜索代は自腹で払え!

 

というような。ね。

捜索にかかる費用、およそ10万円~500万円くらいだそうですが、これを払え、と。

確かにそう言いたくなる遭難もあるにはあります。

 

でも考えてみて下さい。

登山をする様な高齢者は、普段から運動を心がけている方が多く、少なくとも運動不足に起因する疾病を抱えている方は、一般的な高齢者よりも圧倒的に少ないはずです。

 

また、運動不足による経済損失は、世界全体で年間7兆円もあるという報告にもある通り、特に先進国では、運動不足や怠慢な生活習慣に起因する疾病への負担が非常に大きいことが問題となっています。


身近な話で言うと、例えば高齢者が生活習慣が元で糖尿病となり、人工透析を受けている人の医療費は月間30万円ほどだそうです。

また、お亡くなりになるまでに入院したり、手足などの切断手術を受けたりもするので、更に医療費は掛かるでしょう。

これとは別に、彼らの生活の基盤となっている厚生年金の老齢年金も、月間平均14万円くらいを必要です。

 

ではここで聞きますけど、遭難などの費用も含め、登山をしている高齢者にかかる費用の平均と、登山をしていない高齢者にかかる費用の平均、どちらが多いでしょうか?

 

昨年の高齢者の遭難数は約1300人です。

糖尿病が原因で人工透析を受けている人の数は120,000人です。

しかも毎年、4,000人ほど増加し続けているのです。

もちろん糖尿病のすべての原因が生活習慣ではないでしょうが、その多くを占めているのは確かです。

それに今回、糖尿病だけを上げましたが、他に高血圧や脂質異常症などの病気、それに筋肉不足による腰、膝の不調で継続的に病院に掛かっている高齢者はわんさかいます!!

 

それを考えたら、高齢者にはガンガン鍛えて貰って、ガシガシ山に登って頂いて、その高額の預貯金を取り崩して山道具を買い、飲食でお金を落としてもらった方が、どう考えても社会の為になります!!

もっと言えば、山で死んでもらえばお支払いする年金も少な・・・これは不謹慎か。

しかしココヘリなんかがもっと普及すれば、サクっと回収出来るので、今後は更に救助しやすくなるのでは。

 

だから、遭難時の捜索費用なんかはじゃんじゃん負担して、医療費削減を目指した方がどう考えても国家全体としてプラスじゃないでしょうか。

 

とにかく、少なくとも健康診断でC判定の様な人間に登山する高齢者の遭難ごときを批判する資格はないよ!

 

もっと身体を動かすんだ。