アルプスとはいうものの、規模は北アルプスや南アルプスの3分の1程度。
稜線はほぼ一列。八ヶ岳連邦とそう変わらない規模です。
ただ、なだらかな越百岳、急峻でテクニカルな場所も多い仙涯嶺や南駒ヶ岳、そして美しい山頂の姿を誇る空木岳。
様々な山々があり、麓からのアクセスが容易なので、夏は気軽に登れる3000m級の山ばかりです。
そして観光客も非常に多いのが、ロープウェイで千畳敷という標高2600Mの雲の上のカールまで登れる、木曽駒ヶ岳です。
夏は確かに、天候さえ良ければ、幼稚園児でも登れるし、迷子になる危険もありません。
ただ、それが雪山となると話は別だと思うんです。
カール内でも雪が降れば膝上ラッセルが普通ですし、八丁坂は急で、誰かのラッセルの後ですらそれなりに疲れます。
私自身、トップで入って、新雪をラッセルしながら上がって、うんざりした思い出があります。
千畳敷カールは雪崩の巣になる時期が長いですし、浄土乗越から先の稜線は風速15M越え、体感気温がマイナス30℃なんて日もざらにあります。
なにより、駒ヶ岳山頂までの稜線は広くなっていて、ホワイトアウトしたら道に迷う危険も。
決して、今年から登山はじめました。というような初心者の方にお勧めする場所ではないと思うんです。
ただ、やはり行程が短いので、雪山を多少知っている方や、夏にガッチリ登っていて体力のある方には良い雪山トレーニングになると思います。
ただ、最近ヤマップやヤマレコ、その他SNSでチラホラ見かけるのが。
「ソロで初雪山!宝剣岳も制覇!」
みたいな。
いや、それは。
みんな登れるよ。ソロでも。
でもね。危ないから、万が一があったら迷惑だから登らないのよ、ソロでは。
更にビレイも無しでは。
初心者がフリーソロとは。
最も酷いと思ったのは、若いソロの女性で、初ピッケル、アイゼンで登って、登ったはいいけど
「降りれなかったから先行のグループに助けて貰いました」
というのはちょっと。
そして同じ日の別のグループ(ちゃんとロープを出して3人で登って経験もある山岳会の方々です)の記録には
「若い女性を助けてあげました!」
とルンルン気分に書かれていました。
いや、叱ってくれよ。
そのうちに死んじゃうよ、その子。
せめて所々に出ている鎖にセルフビレイとって、とかならまだしも・・・。
お手軽ですけど、宝剣岳、毎年沢山死んでいるんですよね、実際。
すぐそこにあるから、登りたくもなるんです。
でも、ちょっと足を滑らせただけで、お釈迦です。
アイゼンやピッケルの刺さりが甘かったら、アウトです。
個人的には、死亡者数と、滑落例を看板にして大きく出しておくべきだとも思います。
ただの観光客も多いので。
とある世界的な登山家の映画「メルー」でものセリフが思い起こされます。
「万全の準備をしたチャレンジは称賛されるが、無謀な挑戦は嘲笑されるだけだ」
ちょっと違うかも。
最後に、トレイルランナーは雪山など、歩いている時にケガをしたり、死ぬことが多い気がします。
私も、走っていない時も気を抜かない様にします!