カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

どうやってごく普通の登山者がトレイルランナーになったのか

私はごく普通の登山者でした。

ごく普通の2人の女児の父ちゃんであり、幸せなことに娘たちは父ちゃんの事を大好きでした。

女児二人とカミさんは父ちゃんが山に行くのを快く思っておらず、いつもプンスカしてます。

だから父ちゃんは泊まりの登山なんてほとんど行かせて貰えなかったのです!

 

そこで必然的に、鈍足父ちゃんはスピードハイカーになっていきました。

だって、いろいろな山には行きたいけど、日帰りでしか行けないなら、スピード上げるしかないじゃん!

 

コースタイムの7~8割で歩く日々。これはこれで楽しかった。しかし、帰るとクタクタです。

だって、1泊必要な行程を日帰りで行こうと思ったら、コースタイムの7割でも朝4時から夜4時、時にはナイトハイクになったりするんです。

経験値は上がりますが、正直、危険なことも多々ありました(クマー!とかね)。

 

そんな時、ある持病が悪化して、手術するしかなくなりました。幸い無事、完治したのですが、復帰後は、健康に自信が持ちたくて、ジョギングを始めたのです。

2キロを、キロ7分くらいで。これでいっぱいいっぱいです。

 

そんな低レベルな状態なのに、神様は何を思ったのか、東京マラソン初応募初当選というご褒美をくれたのです!

それから我武者羅に練習し、練習し過ぎてランナー膝となり、年明けからはまったく走れない中、迎えた当日。東京マラソン、なんとか完走。結果は4時間強。サブフォーの勲章は得られず。足はガクガクで階段を降りられず。後ろ向きに降りてました。

 

しかし、そこで得られたのは、達成感。それとともに、「これだけ走れるなら山も走れるんじゃないのか?」という思い。

 

東京マラソンから更に2か月は走る事すらできませんでした。ランナー膝が悪化しすぎて、あるくのもやっと。

それでも、治ってからは練習に次ぐ練習。

そしていくつかのトレイルランニングのレースに出走。

それはそれで楽しかった。

(どうでもいいけど、トレランのレースは何故美男美女率があんなに高いんだろうか?)

 

しかし、何より、普段の山行を走るのが、本当に楽しいんです。

子供のころ、山を遊び場に、走り回っていたのを思い出します。

そしてテクニカルな岩場が続く、劔岳穂高の様な場所以外は、トレラン装備で行くように。

とにかく、遠くて無理だと思っていた山が、日々のトレーニングで行けるようになるというのは、モチベーションになります。

2,3泊が当然な場所でも日帰りで。1泊すれば、超長距離の縦走も可能。ロープウェイがある山も下から歩いて往復したり。

そして、走っても走っても、足が痛くなることはなくなったし、翌日まで疲れる事もなくなった。

一日に10時間くらいは平気で走っていられるようになった。

冬は12本爪のアイゼンや登山靴の入ったザックとピッケルを持って雪山も走れるようになりました。

 

何より、トレイルランニングを始めて、一番のメリットは、「道を間違えたかもしれないと思ったらすぐに引き返すのが苦にならなくなった」事です。

単独行の人にとっては、道迷いは遭難の入り口です。そして遭難したらホント、死亡率高いのが単独行です。

しかし、道に迷ったかも、と思っても、引き返すのはなかなか嫌なものです。

それが、今はほとんど苦も無く、トレーニングの一環程度の感覚で引き返せる。結果、間違ってなかったとしても、すぐに後れを取り戻せるので、全然OK。無問題。

山を走るようになって、転倒もほぼしなくなったし、時間にも余裕ができました。

困るのは、水が大量に必要な事くらい。

私の場合は夏は日帰りでも最低4キロは持っていきます。

 

とにかく、山を走れるようになっても、デメリットは少ないんです。

「登山者の皆さん!日々走るだけでこんなに山が楽になるんですよ!」

と、大きな声で言いたい。

もちろん、マナーとルールは守ってね。